プログラマーの話題
研修期間も一ヶ月が経つ。先月入社の先輩方が業務に入るというので研修課のみんなで飲みに行く事になった。
先輩方に支えられここまで研修を昇華できた。とても感謝している。今日は飲もうではないか。
テーブルを囲んでいつものようにたわいもない話が始まる。会社のこと、仕事のこと、料理が美味しいなどなど。これで先輩方としばしのお別れと思うとしんみりする。
ほどよく酔ってきたところでアニメの話題になった。
『なにかのアニメ』のセリフを誰かが言う。
するとすかさず他の人がひろう。
アニメの素晴らしさ、ダメだし、ん?止まらない?
実は自分アニメというものをほとんど見ない。自分の中でアニメと言えばドラえもんやサザエさんなのだ。
しかしみんな次々と知らない単語を発しては盛り上がる。ついていけないのは自分だけ。
あれ?ミナサンアニメスキナノネ。
ただニコニコしているだけの自分にみんなが気づく。
そして質問された
先輩「なんのアニメが好きなの?」
自分「ル、ルパン三世が好きです」
そうルパンは大好きなのだ。ルパンはシーズン1からシーズン3まであって全部見た。
が、先輩達のハートには響かなかったようでそこで終了。
いやとても気遣ってもらいましたよ。
自分の得意なジャンルの話をしてと言われてしましたよ。
でも当然ながらエリッククラプトンのブルースの素晴らしさを語っても誰もついてきてくれませんでした...。
今日の一言
先輩「ちょっと君は入る業界間違えたかな?(笑)」
Linuxの洗礼
研修パソコンのOSはLinuxでubuntuだ。WindowsでもMacでもない。これが曲者だ。
LinuxのOSを見るのは初めてで始めは非常にあたふたした。
しかもなぜか環境開発のマニュアルはWindowsだったりしてなおさら苦労した。(昔はwindowsで研修していたらしい)
これは勝手な解釈だが研修パソコンは全て課長の自作みたいなのでサーバー構築が趣味の課長の独断でLinuxにしたのではないだろうか。
とにかく慣れない環境で慣れないOSで初めてプログラミングをするという状況。覚えることが多いぜ。
課題を進めていくと黒い画面をいじることがある。ここからフォルダを作ったりコマンドを入れることで色々出来るらしい。
この黒い画面もいじったことがなかったので相変わらずRさんへ質問。
自分「Rさん、すみませんこれなんですけど操作がわからなくて」
Rさん「どれどれ?あぁコマンドプロンプトね?じゃぁまずはpwdって入力して」
自分「(コマンドプロンプトっていうのか)はい...pwd)
Rさん「次にブランク」
自分「ブランクですか?」
Rさん「スペースキーのこと」
自分「あ、はい...スペースキーっと(へーブランクって言うんだ)」
Rさん「そしたらあぁなってこうなってそうなるからこういう風になるんだよ」
自分「はぁなるほど...。」
Rさん「わからない部分があるなら調べてみるといいよ」
自分「わかりました。ありがとうございます!」
始めての操作。わからないことだらけだ。
恒例のグーグル検索。『コマンドプロンプト 操作』で検索。
しかしヒットするのはWindowsのコマンドばかり。
あれ?なんでubuntuは出てこないんだろう...。
しばらくページを探しても出てこない。
ここで気がつく。そういえばこの画面って確かMacだとターミナルっていうよな?もしかしてubuntuも名称が違うのか?
そう思って調べてみると...やはり違った!『端末』というらしい。
そうかみんなが端末端末言っていたのはPCのことじゃなくてこの黒い画面のことだったのか!
RさんはWindwsの環境で仕事していたからコマンドプトンプトって呼んでいただけなんだな。
こんな調子で大丈夫なんだろうか...。
プログラミングのルールって?
いよいよ研修開始だ。
研修の流れとしては
ドットインストール(初心者向けプログラミング学習サイト)の動画を見てる
↓
会社が用意した課題を取り組む。
↓
課題を提出して添削。
↓
OKが出るまで直す。
こんな感じだ。この課題というのがやはり曲者でドットインストールで学ぶ基本的なことはすっ飛ばして自分で調べないと出来ないようになっている。
Java言語で仕事をするのが最終目標だがHTML,JavaScript,CSS,jQuery,SQLなどJava以外の勉強課題もある。
ぶっちゃけHTMLを少しかじった程度の知識しかない自分にとって初めての事ばかりだ。
ただわからないことがあれば先輩や課長を呼んで教えてもらうことができる。
うちの会社は他社と比べ結構みんな教えてくれるようだ。
しかし答えは教えてくれない。なぜかみんなヒントを出してあとは調べてねというスタンスだ。
それはなぜか。
これはあくまで予想だがプログラミングをしているとわからないところが多々出てくる(俺だけ?)。
その都度他人に質問していてはお互い仕事にならない。
なので自分で調べて解決をする方法を学ぶ必要がある。
つまり言語の勉強+わからなくなったときに調べて解決するスキルが必要になるのだ。
答えを教えるのは簡単だ。
しかしそればかりでは調べて解決するスキルが育たない。
そういうことか!
そうは言っても初日はわからないことだらけ。
とりあえず隣の席の人に聞いてみる。
例えば以下のようなコードがあったとする。
自分「(隣の席の)Rさんちょっといいですか?」
Rさん「どうした?」
自分「なんでこの波かっこ( これ→} )がこんな行の先頭にあるんですか?(画像でいる7行目)」
Rさん「波かっこ?あぁ大かっこね?これはインデントっていってコードを見やすくするために改行してるんだよ」
自分「はぁ...(大かっこっていうんだ。)この位置じゃ逆に見づらくないんですか?学校で習う数学の式はかっこは1行で書いていたのでなんか見づらくて...。」
Rさん「別に位置はここじゃなくてもいんだけど他の人が見た時わかりにくいからね。インデントにそって改行しないコードとか見たら俺は切れるね(キリっ)」
自分「そうなんですね...なるほど勉強になります!(とりあえずこの位置に揃えた方がいんだな)」
こんな感じで質問を重ねていく。
今思うとこんな質問によく答えてくれたよマジで...。
こういったプログラミングのルール的なものが全然わからなかったから苦労した。
けど慣れるとRさんの言う通りだった。てかなんでこの人が一緒のテーブルで研修を受けているのか謎なくらいのレベル差。
自分の立ち位置がよくわかった初日だった。
一言
自分が失礼なことを聞いているのかもわからないレベル
「未経験=プログラミングをしたことがない」ではないようだ。
それはお昼休みの事だった。
研修課のみんなでお昼ご飯を食べに出かけたのだが衝撃の事実が判明した。
ご飯を食べながら研修課の人達がこの会社に入社するまでの軌跡を聞く事ができたのだが、みんなIT業界での経験者だった。
というか結構がっつりやってる人もいて、Javaの仕事をしたことがないから研修をしているとか、上流工程をしていたから研修しているとかそんな感じでもちろんみんな情報系の学校出身。
ふむふむ。意外とみんなプログラミングに近い仕事ことしてらっしゃったのね。あれ、俺だけ全く未経験?
転職活動中から思っていたのだが未経験といってもこの業界は『業務での』プログラミングが未経験という意味合いが強い気がする。
つまりJavaってなにそれ美味しいの?レベルの人はそうとう厳しい。みんな普通にブラインドタッチだし他の人が使っているパソコン画面を見ても自分の知っているパソコンと違う。
いやなんのための研修だ!そんなことはわかっていたことじゃないか。
Aさんは未経験だけど優秀じゃないか!(でもIT業務には携わっていた)
俺も一念発起して転職してきたからにはしっかり勉強してがっつり稼げる人になってやるぞ。
まずは相当勉強しないとな...。
俺よく入社できたな
初出社
実に清々しい。
今日からプログラマーとしての人生が始まる。
不安はある。
果たしてついていけるのか?
同僚と仲良くやっていけるのか?
この仕事で家族を養えるのか?
しかし考えても始まらない。
もう後戻りはできないのだ!(する気もないが)
初出社。面接で何度か来たオフィス。今日からここが俺の職場だ。
会社に着くと面接をしてくれた美しい女性が対応してくれた。
ありがとう。あなたのおかげで俺は今ここにいます。本当にありがとう。
面接をした部屋に通され待つように言われる。
同期入社の人が自分を含めて4人いるようだ。
そうか同期か。この先切磋琢磨していく友人でもありライバルだ。
しっかり挨拶して好印象を持ってもらわねば。
自分が1番早く着いたので他の3人を待つ形になった。
しばらくすると1人、2人、3人と同じようなタイミングで現れ挨拶。
むむ、外見ではみんな年齢がわからない。
自分より若く見えるといえば若いし、年上といえば年上か。
4人揃ってもまだオリエンテーションが始まらないのでしばしの談笑。
それぞれ名前や前職のことを簡単に話して自己紹介。
そこでわかったことは4人のうち2人は即戦力として入社していることだ。
もうバリバリプログラマーとして働いていた転職組だ。
そしてもう1人は未経験で入社した、言わば俺と同じ状況の人だ。
どうやら俺はこの人(仮にAさん)と一緒に研修を受けるらしい。
時間がきて案の定2−2で分かれてそれぞれの組で説明を受ける事になった。
早いが2人とはここでしばらくお別れだ。
Aさんと俺で違う部屋へ行く。待っていたのは研修課の課長だった。この人が俺達を指導してくれるらしい。
簡単に会社のルール、組織図、どんな仕事をしているかなど説明を受けいよいよ自分のデスクへ。
この会社は大きなフロアにテーブルと1人に1台PCがあたりそのテーブルごとに課がまとまっていて仕事をしているらしい。
そのフロアの隅にある研修のデスクへ行きPCが配備された。
研修のデスクには先月から入社した人が3人いてこの人達とAさんと自分の5人で研修をしていくらしい。
よしこれから頑張って早く一人前になってやろう。
なにせスタートはみんな一緒だから大丈夫なはずだ!
このときはそう思っていた...
転職活動
販売士からプログラマーへの転職。その第一歩として転職サイトに登録した。
複数のサイトを登録して巡回。
毎日見ているとあることに気がついた。特定の業界の求人が多い。
1、建築、不動産業界
2、保険業界
3、IT業界
かなりざっくりだが上記の3つは多い。
一般的に激務なイメージがある職種ではないだろうか。
もちろん自分の希望としてはIT業界だ。その他は興味がない。
未経験も可をチェックしてとりあえずコンタクトをとるが募集条件で結構しぼられてしまう。
まず年齢。大きいところだと未経験なら25歳くらいまでが多いだろうか。
試しに年齢が少し過ぎているが受けたい旨を連絡してみたがダメだった。
さらに未経験となると研修に入ってから業務をすることになるが研修期間は給料が出ないところもあった。
子供を養わなければいけない身としてはこの時点でアウト。
感触のいい企業だと東京に行けば雇ってくれるというところもあったか。
つまり未経験でも札幌で仕事ができ、研修期間があり、その期間も給料をもらえるという希望は叶うのは難しいみたいだ。
基本情報の資格でもあれば違うようだが普通科出身の者にそんな資格はない。あるのは普通免許と日商簿記2級、販売士3級だ。
あぁもうダメだ。
やっぱIT系の勉強をしておらずプログラムも作ったこともない未経験の人間は厳しい。
前職の経験を活かし違う業界で頑張ろうかな。
そう思い始めた最後の最後に見つけた!希望通りの条件!もうこれが最後の希望だ。これがダメだったら違う業界で頑張ろう...。
そう思って受けた会社が今いる会社だ。
本当に自分はラッキーだったと思う。
このチャンスをしっかり活かして資格も実務経験も身につけてやろうではないか。